歩く

そこにあるべき風景が
再び戻ってくるのは嬉しい事。
入院の為、昨年12月いっぱい
閉店していた新宿2丁目の店で、
マスターの復帰祝いの輪の中に
入れさせてもらったその帰り、
まだ電車はギリギリ走っている時刻
だったのだけれど、徒歩で自宅まで。

いつもより少しだけ多い星空の下、
客待ちのTAXIが並ぶその脇を、
自分の歩調を確かめながら歩く。
右、左、右、左・・・。
その度に、ポケットの中では
自分の帰りを待つ人も居ない部屋の鍵が
カチャカチャと寂しい音をたてるけれど。

____大丈夫。まだちゃんと歩けるし。
こんなふうに今まで歩いてきたのだから