オジ様?オバ様?

昨日までのポカポカ陽気が懐かしいくらい肌寒い金曜日。
夕方。
シャワーを浴びた後、新宿の某一流「てんぷら屋」に行く。
もちろん自分の財布では、軽々しく行かれないし、
行く勇気もない。

店に入り、上着を預けた後、
先客二人の待つカウンター席へ案内される。

アラ。遅れるって言った割には、意外と早かったのね。
 もうちょっと遅く来れば安くあがったのに、。」

「アラヤダ。この子そんなにお腹が空いてたのかしら。」

「二人とも何言ってんですか。二人に早く逢いたかった
 だけですよ。へっへっへ。」

おネェ言葉丸出しのオジ様二人(オーバー60歳)の
先制パンチを適当な言葉と笑顔で交わしながら、
楽しい夕食会の始まり始まり〜。

エビや白身魚の天ぷらはもちろんのこと、
この季節、タラの芽やぜんまい、こしあぶらといった
春の山菜類の天ぷらがとても美味しかったのだよ。
自分の隣で繰り広げられるオネェ言葉漫才に
吹き出しそうになりながら、全て完食。
ごちそーさま。とても美味しゅうございました。
 

自分の事を我が子のように可愛がってくれるこの二人。
時には優しくしてくれ、時には叱ってくれ、
自分にとっては大切な家族のような存在なのだよ。
二人とも大病を患ったせいもあり、
「アタシたちももう長くないわねぇ。」などと、
最近頻繁に弱音を吐く二人の姿に、
『遺されるであろう側』のこっちは切なくなるし、
まだまだ元気でいてもらわなくては困る。
だってホラ、こーやって美味しい物も
ご馳走してもらえなくなるし____。

そんな憎まれ口混じりの励まし方をする自分に、

「ツカサはアタシ達のタイプじゃないし、
 どんなにご馳走したって無駄銭よね〜。
 あ〜もったいないわ。エビ吐き出しなさい。」などと
これまた憎まれ口を叩けているうちは
二人ともまだまだ大丈夫でしょ。

それにタイプとかタイプじゃないとか言う前に、
自分は「のん気(男性に興味のないいわゆる普通の男性)」だし、
そんな事、二人ともとっくの昔に知っているでしょ。
それともお歳がお歳なだけに、
とうとう「呆け」が始まったのかしら__________。