意地悪な三日月

濃い目のライブが終わったばかりなのに、
連夜の新宿2丁目はさらに濃かったりして、
それはそれで楽しいのだけれど、
少々胃もたれ気味ではあるこの事実。

満面の笑みと共に、こちら側に手を振ってくれるI氏の姿を
その窓に写したまま遠ざかる車を見送った直後に
入ったコンビニの陳列棚の前で、買い物かごをぶら下げたまま、
何かを探すわけでもなく、ただボーッと立ちつくす現実。

充実と空虚。建設と破壊。感謝と自惚れ。粛正と怠惰。
愛情と無関心。肯定と否定。そして、納得と後悔。
繋がり合っていないようで繋がり合っているような
それらの思いがグルグルと自分の頭を駆けめぐる間、
ピントのボケた陳列棚の周りを歩き、
ピントのボケた商品を次々に買い物かごに入れ、
ピントのボケたレジに向かう。

「2,310円になります。」店員の声で現実に引き戻され、
レジに並べられた自分の買った商品を初めて確認すると、
ほとんど要らない物ばかりか、さらにホワイトデー用に
包装されたクッキーまであった。これが一番不要なのだけれど、
「それ要りません。」とは、さすがに言う勇気も無く__。

寒風の中、あげる宛てもないホワイトデー用クッキーが
入ったビニール袋を提げて歩く、何処か「お間抜け」な
自分の姿を、横目で見ては意地の悪い微笑みを
東の空に浮かべ続けるオレンジ色の三日月_______。

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