2丁目に咲く姥桜

2日連続で午前4時まで花見なのだ。
花見と言っても、ソメイヨシノではなく、
新宿2丁目に咲く姥桜(ウバザクラ)なのだけれど。

パッと見は、一見紳士風なこの姥桜たち数名。
この姥桜たちが、またよく喋るコト喋るコト。
アラヤダ、カツラが曲がってきちゃったワ。」
「アラ、曲がってんのはカツラだけじゃなくてよ。根性もでしょ?
「それがさ〜、根性だけならまだ良いけど、
 最近腰まで曲がってきちゃってさ〜あ、ヤ〜ネェ。」
「アンタ、それは道に落ちてるお金探し過ぎたからでしょ?ヤダワ〜。」

誰かが言ったひと言をここまで膨らませる天才達の会話術に、
ただただ笑うしかない自分にも、
「アンタ、歯磨き粉のCMじゃあるまいし、
 ただ白い歯見せて笑ってりゃいいもんでもないのヨッ。」
と、攻撃ならぬ『口撃』を容赦なく浴びせかけてくる。

口は悪いけれど心優しい姥桜たち。
歳の離れた『のん気』の自分を快く仲間に入れてくれるばかりか、
時には『礼儀』や『人としての筋道』を説いてくれ、
時には迷っている人間に対して、標(しるべ)となる有り難いお言葉を
独特のお姉言葉でポンッと吐き捨ててくれる。
自分にとっては本当に楽しく、心から感謝するべき存在なのだよ。
けれど、そんな感謝を少しでも口にしようものなら、

「所詮、アタシらみたいな『棒の付いたおばさん』に
 教えられるようじゃ、アンタもお仕舞いねぇ。」などと、
からかわれるのは火を見るより明らかなので、
口が裂けても、また裂かれても絶対に言わないのだけれど。

2丁目に 散りそで散らぬ 姥桜』___________お粗末。

※のん気:ノンケ。同性には性的興味のない、いわゆるノーマルな人。

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