遺言書

以前、一度だけ「遺言書」を書いた事がある。

数年前、旅先のマレーシアで謎の感染症に冒された。
人間、「痛み」に対しては多少の我慢が出来るものの、
「痒み」には馴れていないらしく、手足に出来た水疱や
赤疹が痒くて痒くて堪らないマレーでの夜。
生まれて初めて、本気で「痒みで死ぬかも」と思った時、
療養中のホテルのベッドの上、横になったままで、
メモ帳の切れ端にそれを書いた。

_______感染症の方は無事治癒し、
その遺言書は結果「無用なモノ」になり、
日本に帰国した後、「旅の思い出」として、
その頃夫婦関係にあった元嫁に見せたのだけれど、
「何?コレ。小学生の作文?」と彼女の爆笑を
かった事を覚えている。人間、「死にそう」になると、
文体や言い回しなど考えていられないという事の証明に、
その一文を少しだけ紹介すると、

「本当に本当に今までありがとう。と、たくさんごめんなさい。
 みんなが元気で、仲良く笑い合って、そして時々、時々、
 ボクの事を思い出して、またみんなで笑ってください。」
これ以上は、さらに稚拙すぎて紹介出来ない(泣)。

要するに「遺言書」は元気なうちに書いておけって事。
それと、パソコンの中の他人に見せられないモノは、
信用出来る口の堅い友人に頼んでおく事も大切。

___そろそろ、遺言書を書き直しておくか。
今日のように体調の悪い日は、事さらその思いが強くなる。

日記