背中を押してくれる優しさ

友人のKちゃんはエリート銀行員で、
その昔、ひょんな事から知り合い意気投合し、
元嫁との入籍時にはお祝いの食事会に招いてくれ、
結婚披露宴の司会もしてくれ、去年の離婚時には、
離婚用紙の承認欄にまで名前を書いてくれた、
それはそれは何かの要には必ず登場してくるお人なのだよ。
だから自分と元嫁の誕生日が一緒だという事も、
その誕生日に入籍したという事もすべて知っている。
要するに、自分の事で結構な迷惑をかけ、
又、心を煩わさせてしまった仲間の一人なのだよ。

夜。
転職がほぼ決まったという友人のKちゃんと2人、
新宿3丁目のタイ料理風の屋台で食事を済ませ、
そのまま2丁目の馴染みの店に移動。

他の客が居ない事をいいことに、
マスターと3人、沖縄・伊平屋島の話や
沖縄の美味しい物の話で明け暮れ、
気がつけば日付も変わりそうな午前0時前。
そろそろ帰ろうかと腰を上げかけた自分を
「最後の一杯はボクが奢るからもう少し居ようよ。」
と、Kちゃんが引き留める。

「だってあと1,2分でツカサさんの誕生日でしょ。
 せっかくだからお祝いしてから帰ろうよ。」

自分でも忘れていたわけではないのだけれど、
「今更はしゃぐわけにもいかんやろ。」という
反省混じりの憂鬱もあり、
普段と何変わりなくやり過ごそうとしていた日。

それを他人であるにもかかわらず、
仲間内で一番迷惑をかけたであろうにもかかわらず、
心に留めておいてくれ、以前と変わらない笑顔で
祝ってくれるKちゃんの気持ちが嬉しかった。
Kちゃんに感謝。

感謝ついでに、一杯ならず飲み代のすべてを、
「今の会社の退職金入るんやろ?」と
結局はKちゃんに払わせて帰って来た誕生日前夜祭__。

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