斜めな陽射しのその窓に

トイレの天井の隅。
主の居なくなった蜘蛛の巣と、
それに引っ掛かったカゲロウの亡骸が
開けっ放しの窓から入ってくる涼しい風に
吹かれユラユラと揺れている。
つい先日まで窓の外で最後の抵抗とばかり
鳴いていた蝉の残党兵達も消えてしまった。
「あー、ホントに夏はいっちゃったのね。」
ガラス窓に映る木漏れ日を眺めながら小便をした。

日記