ボクたちが見える世界

頭痛だ。
ま、それはさておき。

ボクの家のマンションのトイレの貯水タンクのその上の、
手洗い用の水がチョロチョロと流れる水受け部分の世界のお話。
そこには「トイレに置くだけ」のTVCMでお馴染みの
洗浄剤が置いてあったり、「それだけでは味気ないから」と、
かつて元嫁が飾ったビー玉たちが今でも転がっていたり。

「あれ?今日は水流しても慌てふためかんなコイツ。」
試しに指で軽く突っついてみてもピクリともしないそいつは、
今年の夏前頃から、洗浄剤やビー玉たちを上手いコト使って
小さな、ホント小さな巣を張って獲物を捕らえたり、
ボクが水を流す度にパニクっていた体長1mmほどのチビ蜘蛛。
家賃も所場代も払ってくれないその小さな居候が
どこかに居なくなるまではその部分の掃除はしないでおこうと
決めておいたのだけれど、どうやら掃除をしてもいいらしい。

果たしてこのチビは、自分自身にとっての終息の地が
この場所で良かったのかどうか。
蜘蛛の亡骸と彼の家をペーパーで拭き取りながらふと思った。
ボクの家のマンションのトイレの貯水タンクのその上の、
手荒い用の水がチョロチョロと流れる水受け部分が
ソイツの世界の全てだったお話_____________。

日記