風に溶ける時間

この島でボクは何をするわけでもなく、
毎日ボート屋の木陰でスタッフや地元の観光客たちとお喋りしながら、
船が帰って来たら船から投げられたロープを砂浜のアンカーに縛りつけたり、
戻って来た客達に貸し出していた救命胴衣やシュノーケリングセットを
受け取ったり、レンタル用のシーカヤック(カヌー)の修理をしたり、
時には客たちと船に乗り、船のへさきに立ち、碇が結ばれたそのロープを
たぐり寄せたり、海岸を歩く外国人観光客の客引きをしたり、
船の燃料が足らなくなれば、ボート屋の主人であるノンさんと一緒に
バイクに2人乗りし、片道8kmもの距離を空のプラスチックタンク2個を
提げて行き、帰りはそれに満タンのガソリンを入れ、ヨロヨロしながら
帰って来たり・・・。

ここまで書いているうちに、なんだかやたら忙しいんじゃないか?
と、誰もが思うかもしれないけれど、
実際はホントのんびりのんびりで、照りつける陽射しに混じって吹く潮風も、
バイクの後部座席で感じる風も、本当に気持ちが良いのだよ_______。