笑い飛ばすといふコト

「ツカサ、今日はオレがおごるよ!!」と、
昼飯も晩飯も夜食も気前良く奢ってくれるマッツ。
彼はボート屋のスタッフの1人で、
ボクと一番仲が良い。
日本でいうところのナンバーズくじがマレーにもあり、
それで200RM(約6,000円)が当たったのだ。

「マッツ、ハティハティ〜〜!!(太っ腹〜〜)」と、
ボクがわざと大げさに彼を褒めると、
「サヤ ミスキン(ボクは貧しい)。
 タピ〜・・・タァダ マサラ〜♪(でも〜・・・問題な〜い♪)」

この「タァダ マサラ〜♪(問題な〜い♪)」の部分は
ボクも一緒に言うのが2人の間で流行っていて、
普段何らかのトラブルに見舞われるその度、どちらかが
「タピ〜(でも〜)・・・」と言葉を振ると、2人声を合わせて
「タァダ マサラ〜♪(問題な〜い♪)」と笑顔で言い放つ、
端から見れば、超前向きな『バカコンビ』。

数ヶ月前に実兄が交通事故で死に、
実兄の忘れ形見の幼子を預かって育てているマッツ25歳。
「働けど働けど金は無く、彼女も出来ねぇ。
 おまけに独身なのに急に子持ちになったんだ。
 ノーマネー!ノーハニー!」の彼の嘆きの台詞通り、
生活はかなり厳しい。
それでもそんな泣き言の後に彼は必ず「タピ〜(でも〜)・・・」と
目元と口元が緩む。
そして今日もボクらの声が、真夜中の食堂に響く。

「タァダ マサラ〜♪(問題な〜い♪)」

ボクはこの言葉と彼が大好きだ_________。

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