泳げぬイルカ

「先生。もう泳げますかね?」
_____この言葉をボクはもう何回言った事だろう。
それは「愛してる」や「金貸して」よりもずっと多く、
今年頻繁に言った言葉ランキングの中で
「牛ハラミ弁当大盛りで」の次に位置するぐらい上位に食い込む。

今年2月に破れた左耳の鼓膜(2008年2月5日「破れた鼓膜」を参照)の
治療の為に訪れた某医大の治療室。2回の手術を経て、通院日数も
延べで軽く二桁台をカウントし続けるこの日。
それもやっと今日で最後かもという最終チェックのベッドの上で、
既に顔なじみとなっている担当医に、ボクはもう言い飽きた台詞を
今日も言う。

「先生。もう泳げますかね?」

耳の中を電子拡大カメラみたいな機械で覗きながら、担当医師が言う。
「・・・来年、もう一度塞ぐ処置をしましょうね。」

えーーーーーーーーっ!? 2回もの手術はなんやったのーーーーーっ!?
いったいいつになったら治るの!?

どうやら最近聞こえが良くなっていたのは、
耳垢が穴をうまいこと塞いでくれていたらしく、
耳垢を吸引器で吸い出すと、なるほど、聞こえが悪くなった。

イルカに戻る日は遠い____________________。

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