キラキラの場所ー柳町編ー

路地の一辺。
その料理屋の勝手口から漏れる酢飯の香り。
黄色い幼稚園帽を被ったボクは、
その料理屋の勝手口から特別に出前してくれる
「蒸し寿司」が大好きだった。
晩ご飯を食べ終え、母の店から家に連れ帰られる頃には、
その路地は、各店の看板やネオンの明かり、
そこを歩く大人達の大声などが混ざり、
昼間とは全く違う顔になっていて、
キラキラしたそれらを見上げながら帰った。

振り返れば、ボクは物心つく前から、
酒の匂いの染みついた建物が並ぶ
この路地で遊び育ってきた____。

柳町にもたれ 酒くさい息を吐く(キラキラ/henssimo)

日記