見ず知らずコール

「それで私は今年定年になったので、マレーシアに移住するんですよ。
 今日出発するんですけど、Nonさんに何か伝言ありますか?」

電話の声の主がそうボクに聞いてくる。
声に聞き覚えはない。当然だ。見ず知らずのアカの他人なのだから。

彼の話を聞くに、今年の1月、マレーシアのパンコール島に旅行に行き、
そこで世話になった現地のボート屋のオヤジ・通称Nonさんを始め、
ボート屋のスタッフたちからボクの話を聞いたらしい。
どうやらボクはあちらでは「伝説の日本人」になっているらしい。
そりゃ伝説のひとつやふたつ出来たって不思議ではない。
それが恰好良い伝説かどうかは別にして。
(カテゴリー"パンコール島"で探してみてね。)

それにしても、たかだか旅先のボート屋のオヤジから聞いた日本人に、
しかもまったく素性の解らぬ相手に電話をしてくるぐらいだから、
よっぽどパンコール島が楽しかったのか、よっぽど無防備かつ平和な人か。
けれどマレーシアが好きな人に悪い人はまずいないという、
これまた自分勝手な性善説に立つマレーフリークのボクも、
まったく見ず知らずのアカの他人であるその紳士に、
パンコール島に住むNonさんへの伝言をひとつふたつ頼み、
最後に

「では、くれぐれもお気をつけて良い旅を。
 あっ、今度は旅行じゃないですよね。
 でもまー、旅みたいなもんですから。
 くれぐれもお気をつけて。では。」

と言って電話を切った。
電話を切ってから相手の名前を聞いてない事に気づく。
ま、いっか。

名無しのオジさまへ。
電話でも話したように、マレーシアはとっても暮らしやすい国ですが、
一部治安の悪い所もあるので、くれぐれもお気をつけて。
________________Have a good trip!!

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