無表情がもたらす笑い

沖縄・伊平屋島2011-3日目-

島に入って2日目のこの日。
未だ鼓膜が塞がっていない左耳に詰める粘土質の耳栓をコネコネするのが
面倒臭いという理由だけで、未だシュノーケリングをする
気にもなれないボクと、そろそろ海に入りたい様子の他メンバーたち
双方の気持ちを満たす為に、野甫(のほ)大橋の下へ。

シュノーケリングを楽しむ他メンバーをよそに、
橋の下の日陰でとりあえず全員の釣り用仕掛けを作るボクの隣では、
生まれてこの方、喜怒哀楽というモノを何処かに忘れてきてしまったかの
ような、相変わらず無表情の友人Fが椅子に腰かけたまま、
その両足を強い日差しのもとに晒している。

一昨年にも、ボクの忠告を無視した結果、日焼けし過ぎたその胸に
クッキリ残る白いペンダント跡でボクをおおいに楽しませてくれ、
「日焼けのバギー」なる曲の誕生の功労者である友人F。
昨年は昨年で、再び火傷に近い日焼けをしたかと思うと、
島での後半は日焼け止めをベッタリと必要以上に火傷の上に塗って、
みんなから「おしろいオバケ」だの「豆腐屋の娘」だの好き勝手言われたのを
果たして彼は忘れてしまったのだろうか。
「火傷になるぞ。」今年も一応言うだけは言った。
やはり無視されたけれど、いつもの事なのでこちらも腹は立たない。
さてさて、今年はどうやって楽しませてくれるかね?

___その夜、夕食後に島の友人らと行った島の居酒屋の座敷で、
体育座りをしたその両膝に、空いたグラスの氷をひたすらあてている友人F。
相も変わらず無表情なままで_______________。