病院巡り

なんとか短時間ならトイレの便座から離れる事が出来はじめたので、旅行保険書類を片手にフラフラの身体でホテルを出て、今思えばTAXI代も保険でおりるのに、律儀に電車を使ってクアラ・ルンプール市内にある設備の整った病室へ行き、医師の診断を受ける。
診断の結果は、
「たぶん、ヤギの肉に含まれる油での食あたり。こっちの現地人もたま〜になるし。」

見知らぬ病院の見知らぬ処置室のベッドの上で、栄養剤だか下痢止めだか得体の知れない点滴を打ち終え、昨日までのトイレの便座N極に勢いよく引き寄せられるS極のような感覚も収まったようなので、病院を出たその足で、先日、ボクの目の前で脳卒中で倒れ、その馬鹿でかい身体の島から本土までの搬送まで手伝う羽目になったノルウェー人の老人アクセルの入院する病院に向かう事にした。
数日前に、同じクアラ・ルンプール市内の別の病院に搬送されている事は知っていたので、その病院まで彼を見舞いにタクシーで移動(11RM=約275円)。

陽気なマレー人の奥方に案内されて彼の病室へ。
ベッドに仰向けの状態で横たわる彼。
全く動かなくなってしまった左半身は残念でならないけれど、ずいぶんと話も出来るようになったし、動く方の右目の目尻にはやっぱりいたずらっ子の笑みを浮かべ、ボクに、「日本人だったら見舞金をたっぷり持って来ただろうな」らしき事を、動く方の右手の素振りを交えて言う。

アクセルさ、オイラ英語は相変わらず苦手だけどさ、
ゆっくりゆっくりと諦めずにリハビリしてさ、
またいっぱいいっぱい話そうよ。
僕らが出逢ったあの島で____________。