I'm so proud 伊平屋島

こちらのというか、制作側のちょっとした勘違いで、
今回のCD製作費の支払い金額増額に関するゴタゴタした
電話に縛られっぱなしの、なんとも厭〜な時間を過ごす日中。

その電話の最中にボクの電話に入ったもうひとつの電話。
あとでその電話番号にかけ直すと、相手は沖縄県・伊平屋島在住の
ボクたちが『おにーちゃん』と呼ぶ津田氏であった。

今からかれこれ二十数年前、伊平屋島をこよなく愛した漫画家の
故・はらたいら氏が音頭をとり開催された『ミュージック・チャンプルー』。
音楽で離島を盛り上げるという、いわば"島興し"であったのだけれど、
数々のトラブルに見舞われ、2度ほどの開催のあと、自然消滅して
しまった。がしかし、先の津田氏だけは、
「はらたいらやその仲間たちの気持ちを行政の都合だけで、
 無かったモノにしてはならない。」
と、時には村八分同然の扱いを受けながらも、ある時は息子と二人、
またある時は賛同してくれる数少ない仲間達と、ほぼ自腹で
イベントの名前を変えながらも守り続けてきた。

もうかなり昔だけれど、真夜中にみんなで星を見に行った先で、
満天の星空のもと、
「島興しは二の次さ。一番は島の老人や子供達に音楽に触れて貰って、
自分達で演奏して貰って楽しんでもらう事さ。それだけで幸せ。」
と、ゴリラみたいなその顔をクシャクシャにして照れ笑いを浮かべて
いた彼が印象的だった。

そんな彼からの電話の内容はというと、どうやら彼が大切に守ってきた
そのイベントに来年度から少しばかりながら行政の予算がおりるらしい。
「島を愛してくれたはらさんや和美さん(新宿2丁目マスター)たちの
 思いを繋げていかなきゃバチがあたるサ。」と、その思いを熱く語る彼に
「じゃあそろそろ交通費だけでも出して呼んでくれるかね?」と、笑うボク。
もちろん目的は島興しではあるのだけれど、やっぱり最後には
「島の子供らが何か自慢出来るモノを残してあげたいサ。」と彼は言う。

いやいや、おにーちゃん。
この島の青い海と、島の子供達や老人たちの事を方法こそ違えど
あれやこれや真剣に思ってくれる大人たちがいるって事だけで、
もう既に子供達が胸を張って自慢出来る島だってばよ。

たかだか流通貨幣が絡んだだけで、相手の心を深読みし過ぎる
こちらの大人たちの愚かしさが馬鹿馬鹿しく思えるくらい、
ボクはその島とその島に住む人々に出逢えた事を誇りに思う____。