どうせオイラはヤクザな兄貴

拝啓、日本の皆様におかれましては日々の寒さは辛くとも、お変わりなく穏やかにお過ごしの事と存じあげます。こちらは真夏のような太陽と一時的な激しいスコールを、木陰や他人様の店の軒先を借りてやり過ごす毎日が続いております。日本語を話す時といえば独り言を呟く時ぐらいしかない日も多いですけれど、それでもまだまだそちらに帰る日は遠いわけで。
さて、こちらはチャイニーズニューイヤーも終わり、いつもの静けさを取り戻すかと思えば、ピーク時に比べだいぶ減ったとはいえまだまだ多くの観光客がおり、そのほとんどが華僑系なので、声はデカいし、やることなすこと粗雑だしで、育ちの良いワタクシにはそぐわぬものと、ボート屋の手伝いをほっぽり出して、欧米人たちがくつろぐ隣のビーチまでバイクに乗って逃げ出す日々も多々有ります。

そのビーチではビキニのホックを外して肌を焼く白人おネェちゃんたちはもちろんですが、歳をとった白人の老夫婦たちをたくさん見かけます。もちろんビーチだけでなく、ホテルや海岸通り沿いのレストランでも仲睦まじい光景がそこにあります。照りつける日差しのもと、歳をとっても互いに寄り添う合うように旅を続ける彼らの姿は微笑ましく、こちらまで笑顔にさせてくれます。その笑顔のままで、さっきのビキニ姿のおネェちゃんたちに視線を戻すと、目の前に山羊が居てハッと真顔に戻る、そんな『車 寅次郎』のような日々が続いております。皆様もどうかお身体にはくれぐれも気をつけて。かしこ。
BGMは『男はつらいよ』By 渥美 清______________。