墓に服をかけてあげるわけにもいかぬのだし

先日の『絶対に負けられない闘い』に、先日だけならまだしも、
今日までの連日コテンパンに負け、新しい航空券を買い直す
どころの話ではない経済情勢に陥った愚息の方を1度も振り
返る事なく歩きながら、彼女は説教を続ける。

__いつになったら楽させてくれるがやろうかねぇ。
爽やかに吹く春の風に向かって言った彼女の独り言のようなその言葉が、
昔よりずいぶん小さくなった彼女の背中を見ながら歩く愚息の胸に
魚の小骨程度には確実に引っ掛かる4月某日___________。

日記