冒険のお手伝い

「ツカサにぃに、実はさ、今、夏休みでさ、茨城に遊びに来ててさ、
 栃木にライヴ観に行ったらさ、電車がなくなってさ、茨城にも帰れんくてさ、
 えっと・・・・、どうすればいい?」

沖縄・離島育ちの姪っ子同然の高校生からのSOS電話に、
すぐさま最寄り駅のビジネスホテルを検索し、
「未成年者2名ですので不審に思われるかもしれませんが・・・。」
と、電話で事情を説明して予約を取った後、再び彼女らに連絡をし、
ホテル名を教え、夏休みの田舎町なんてどんなヤンキーがおるかも
わからんので駅からはくれぐれもタクシーを使えと言ったのに、
その後に電話をしてみると、「歩いてるー。」と、なんだか愉しげな雰囲気だし。

約10分後。
もうホテルに着いた頃だろう、それにしても連絡が無いのは心配だ、と
確認の電話を入れたら、受話器の向こうから開口一番、
「ツカサにぃに、スイートルームみたいよ!」と、弾んだ声が返ってきた。
ビジネスホテルのツインルームに喜ぶ島育ちの擦れていない彼女らに
こちらも思わず大笑い。
おまけに、高校生の彼女らからしてみれば、大人になってからでは味わえない、大冒険だったに違いないし。とりあえず、そのスイートルームのベッドでゆっくり休んで、明日はちゃんと帰れよ。

おかげで、ツカサにぃにも、東京・新宿に居ながらして、
一度も行った事の無い栃木に行ったような感覚に陥るほど
地図と睨めっこしたよ、やれやれ_______________。