アンデルセンの夢の端(は)で

スプリングの効いたベッドよりもリビングの硬い床の上を選び、ここ数日間、
寝室で自分の帰りを待ち続ける、湿気を帯びてヒンヤリとした我が愛しき
タオルケットの魅力を持ってしても、この身体を寝室に呼び戻す事叶わず。

とりあえず高級ダッチドールを寝室に置いてみてはいかがでしょう?
コビトの1人が言う言葉に、別のコビトが反論する。
いやいや、それをリビングに持って来てしまえば元も子もないし、
いっそのことベッドをこちらに持って来てしまえば。
そんな反論をまた別のコビトが遮る。
そんな事をしたら我々も含めて二代目にこっぴどく叱られますぞ。
ではいったいどうすれば・・・。うーん・・・。うーん・・・。
腕組みをしたり、頭を抱えたり、チンチンを掻いたりするコビトたち。
おおっ!そうだ! いい事を思いついた!!
握り拳で手のひらを打った後、人差し指を立てながら1人のコビトが言った。
あえて二代目の等身大パネルをこのリビングに置いてみては。
・・・?、・・・?、
疑問符混じりの静寂に包まれたリビング。次の瞬間、その静寂で出来た
障子にひとつひとつ指で穴をあけるかのように、おおっ! おおっ!という
コビトたちの感嘆の声が次々にあがり、間もなく障子は穴だらけ。
おおっ! それは名案じゃ! さすればそのパネルを早急に此処へ!
忙しなく動き始めたコビトたちの真ん中で、
それは多いに困るっ!!
と、こんな時間に飛び起きましたとさ、おしまひ__________。

日記