少なくともボクは先生ではない

「先生。彼氏とよりを戻しました。」
と、恥ずかしそうに笑う高校生の素直な笑顔に、
「あー若いっていいよねぇ、くっついて離れてまたくっついて。
 大人になるとそれすら出来ん面倒臭い生き物に変わるぜ。」
などとつまらんコメントしかしてあげられないのは、なにも
24時間以上覚醒しっぱなしの脳ミソのせいばかりではなく、
トロンとした眼をサングラスで隠しながら
咥えタバコの煙の先に降り出した雨を見上げる火曜日。

自分の声の響きを捉えるには、
壁に対峙して唄い続けるのが一番だったよね、先生___。