初対面につき

_______________で、コイツは誰ぢゃ?
生後まだ3ヶ月の甥っ子3rd(サード)からすれば、生まれてからこの3ヶ月、自宅の次に見慣れた自分のテリトリーに、見知らぬ無精髭姿の男がおり、自分が唯一心を許し笑顔をくれてやっている家族に対し、なんだか親し気且つ偉そうな態度で話しているその男の存在自体が理解不能なのも仕方ない。
そんなわけで彼がリアクションとしてこちらに見せる笑顔の数と泣き出す限界値が、今まで一緒に暮らしてきた家族たちと今回初対面のボクとでは明らかに違うのだけれど、やはり見慣れぬモノに興味を抱くのは赤ん坊の性なのか、まだ自力で体を支える事も出来ない彼は、気づけばいつもボクの方へと少しずつ倒れこんでくる。


「どーしました? 師匠」
何処かの噺家の師匠にこんな顔がいなかったけ?と、彼と初めて逢った数日前に付けたアダ名で今夜も彼を呼びながら、途中から自分の意思とは関係なしに重力に逆らえず次第にこちらに倒れ込んでくる彼を支える為、真綿のように柔らかいその顔にそっと鼻先を押しあてる。数秒後、いつものようにフェッ…フェッ…と泣く準備に入る甥っ子3rd。
今度会う時はもっとアナタに笑って頂けるべく明日からまた精進いたしますよ、師匠___________。

日記