風と匂ひと宅配便

___来ない。
生理じゃない、昨日の件の宅配便の事だ。
朝の新聞配達が来るのを玄関先でまだかまだかと待つ川柳親父のごとく、こちらも朝5時から起きて『午前中配達指定』のそれを、宅配業者の足音をも聞き漏らさないように家の全窓を開けて待っているのだけれど、正午になっても来やしないじゃないか。
代わりに窓の外からカレーの匂いがしてきたぞ。
口の中に溢れる唾を飲み込みながら窓の外の気配を探るその耳元に秋風が気持ち良い正午過ぎ__。

日記