意地と浪漫と海風と

______「ツカサさん、きっと泣いちゃいますよ。」
先日、こちらでお会いした日本人のご夫妻から頂いた小説の中に、昨年映画化された事でも話題となった『永遠の0(著・百田 尚樹氏)があるのだけれど、本をくれたご夫妻には申し訳ないけれど、こちらで読むつもりはないのだよ。同じく、Facebookなどの投稿記事でも涙を誘う感動話などは敢えて読むのを避けているのだよ。

考えてもみてみ?
常夏の島でなんで独りでむせび泣かにゃならんのよ。
それに、こんな照りつける太陽の下で、オッサン独り涙してたら気味が悪いっちゅーの。

今日もすべてを忘れさせてくれる陽射しと波の音と木陰とハンモックを友達に、すべて忘れたつもりのその片隅で、果たして泣いていたのか笑っていたのかさえも今となっては思い出す術もないそのボヤけた横顔が、海から吹く風にチクンと揺れる昼下がり____。