歯で考える残り時間

この歳にもなると、自ずと残りの人生を逆算して考えるようになるわけで。
アレをし残している、コレもしなきゃならん、と自身の希望の有無にかかわらず、積もり積もった請求書の山のその一枚をチラリと見てまた伏せてみたり。ま、伏せてみたところでいつかはちゃんとめくらにゃならん事も解ってはいる。

10万円の歯にしますか? 5万円の歯にしますか? それとも保険の利く安い歯にしますか?
口を開ける商売柄という事を含まずともここは一番良い歯を入れるのが正解なのであろう。いや、たとえばそれが1本なら何の迷いもないわけで、今回は2本同時、しかも2本並びともなるとけっして安くは無い値段の選択だけに躊躇してしまう自分がいて、残りの人生に対してのその歯たちの耐久年数や値段による色合いの変化速度の違いなど、あれやこれや考えてしまい、最終的には「あーぁもっとお金を稼げる人間に成れていたらこんな事で迷う必要もないのになぁ。」と、今まで歩んできたその道をトホホな気分で振り返る自分に神様が言う。
まずは普通にちゃんと歯磨き出来る人間に成れと____。

日記