真夜中の責任転嫁

前日リハーサルはこの歳の身体にはきつく、肩に背負ったギターがいつもより重く感じるシトシト雨の夜道を辿って自宅に戻り、すぐに譜面の変更箇所を直した後、明日の衣装を選び、その他諸々の準備を済ませてふと気がつくと日付はとっくに変わり午前4時を過ぎた今頃になって、徐々に胃が痛くなってゆくのはなにもリハーサル帰りに食べた遅い夕食のせいだけでもないらしく、未だ鳴らないトランペットを横目で見ながら、そもそも誕生日にライブを演ろうと勧めてくれたベーシストFくんを恨めばいいのか、小学校の時に体育館に並ばされて一人一人マウスピースを吹かされた時、たまたま鳴ったあの日の少年を恨めばいいのか、吹きもしないのに、上京の時も数々の引っ越しの時も手放さず後生大事に持っていた貧乏性の自分を恨めばいいのか、トランペットを吹こうと血迷った10日ほど前の自分を恨めばいいのか、とにかくまともな音すら出せない今の自分以外の何かにヤツ当たりしたくてしたくて仕方が無い、そんな橋田壽賀子の長台詞のような真夜中。

あっ、サッカーワールドカップ見忘れたトホホホホ____。