星空プレイバック

先月の伊平屋島滞在最終夜のお話。
真夜中、ホテルの父ちゃんの軽トラを運転して向かった島のヘリポート前。車を停めヘッドライトを消した瞬間、頭上に広がる星空と暗闇の他は何も無いそんな中で、部屋に懐中電灯を忘れてきた自身を悔やみながら、それでもカメラの設定を弄ろうとするも、その暗闇の中では自分の手元はおろか何も見えず。
あいにく軽トラの車内灯は壊れていて、それではと、ヘッドライトを点けてから車の前に出てカメラの設定やミニ三脚への固定を済ませた後、車の前にカメラを残したまま運転席に戻りヘッドライトを消して、いざカメラを置いた場所に戻ろうとしたら今度はその位置が解らないほどやっぱり真っ暗闇で、手探りでペチペチと道路を叩くもカメラは見つからず。
仕方なしにもう一度運転席に戻ってヘッドライトを点けてカメラの位置を瞼にしっかりと焼き付けて、灯りを消した瞬間からすべてが闇に包まれる中をカメラが置いてあるであろうその位置まで、間違っても大切なカメラを蹴飛ばさぬよう歩幅を気にしながらソロリソロリと歩いてゆくという、車を停めてからようやく写真撮影までに漕ぎ着けるこのドタバタとした独り芝居のような最中、ずっと口ずさんでいたのはロックでもなくブルースでもなく、何故か古い歌謡曲だったり。

ミニ三脚に固定されたカメラに添い寝するカタチで道路に寝転んでシャッターを押し、そのシャッターが閉じるまでの数十秒、真夜中のアスファルトが放つ昼の余熱を肩に感じながら見た満天の星空をアナタへ。
BGMは山口百恵で「さよならの向こう側」___。