チン毛の生え揃ってない頃からのファンです

小学校4年だか5年だかの頃、近所のオッサンに連れられ泊まりがけで甲子園球場に夏の全国高校野球を観に行ってからというもの、それから毎夏、独りでもしくは野球好きな友人らと甲子園に行っていたほどの野球少年だった。
まだ家の近所に港があり、そこから高知と大阪を結ぶ夜行フェリーが出ていて、夜に乗り込んで船内の雑魚寝部屋で寝て、早朝には大阪の南港に着き、そこから電車を乗り継いで兵庫県の西宮にある阪神甲子園球場まで。その日の試合を見て、再び大阪南港まで戻って夜行フェリーに乗り込み、翌早朝には高知港に着くという船内2泊の小旅行。

元来ボクは幼い頃から、独りで勝手に親戚の家に泊まりに出掛けたり、友人らと隣町まで行き翌日には学校の職員室で担任教師にこっぴどく怒らるのにも慣れたほどの放浪癖があるので、これは仕方ないにしても、親は予め自分が行き先と帰る日を言えば、そのほとんどを許してくれていた。その為の費用は祖母からくすね取ってはいたけれど。ボクの家も含め、当時の親はチン毛もろくに生え揃っていない子供だけでキャンプだの甲子園だのよく許してくれたもんだと思うけれど、子供の監督責任にまで気が回らないほどどこの親も皆懸命に働いていた時代でもある。そしてその当時の社会も、子供だけでフェリーや電車に乗るそんな姿を大目に見てくれていたような気がする。

話を元に戻し、野球少年だったボクは今年の夏の全国高校野球も仕事が暇な事をいいことに開幕戦からTV越しにではあるけれど、観られる限り観戦したのだよ。あの頃の野球少年の憧れだった高校球児のおにぃさんたちをいつの間にか我が子を見るような目で見ていたり、時折、テロップに表示される監督の歳にハッと我に返ったり。

____そして。
優勝校が決まった瞬間のサイレンの音と共に去りゆく夏の横顔を見送る月曜日__。

日記