やはり此処は外国だと認識する時

陽もとっぷり暮れ、バイクにまたがり宿から10kmほど離れた島の反対側に位置する華僑街に釣り具を買いに行った帰り。
フェリーの船着場の前で盗っ人の男と被害者の男との乱闘に出喰わす。自分を含め、事情を呑み込めない多くの者たちが遠巻きに見ていたのだけれど、間も無くして盗っ人の方が取り押さえられ、屋台の台にねじ伏せられた時に、いったい何があったのかと被害者の男性に聞いて初めて事の成り行きを理解した友人と二人でバイクから降り、なんとか隙を見て逃げようとする諦めの悪い盗っ人をしっかりと抑え、被害者が警察に連絡。間も無くして、カブに乗った私服の警官が到着し、盗っ人を後ろ手に手錠を掛け騒動は終わったのだけれど、後から応援に来る警官も無く、あのヒョロっとした私服の警官1人で果たして大丈夫かいな、などと思いながら、日に焼けた腕とノーヘルの髪の毛をビュンビュン風に晒して、宿のある島の反対側へと帰る午後8時過ぎ____。