男たちの浪漫

ただでさえ定宿のインターネット回線が遅いのに、尚且つそれをwi-fiで分け合って使うため、宿泊客が多い時期はFacebookのチェックすらノロノロ表示なのだよ。朝から夕方近くまで宿のレストランでラップトップと睨めっこしている欧米人ネェちゃんよ、オマエはこの島に何をしに来たのだい? 海に行け海に。そして他の欧米人と同じく、馬鹿みたいに肌が真っ赤になるまで焼いてこい。

幸い、自分はスタッフ専用のwi-ifを使っていて客専用のそれと比べ多少は早いものの、幹は同じなのでやはり利用者の数に左右される。おまけに男性スタッフが仕事を終える午後10時を過ぎると、一斉に自分のスマフォを弄り倒すのでやっぱり遅い。かといってスタッフ専用のそれにコッソリ仲間に加えて貰っている、謂わば間借りしている身では「おい! オマエらのせいでエッチな動画がしょっちゅう止まるぢゃないか‼︎」とも言えないでしょ。ヤツらにエッチな動画HPを教えた身では尚の事言えない。

「ツカサ、この間教えて貰ったエッチなHPは日本語が多くて解らないから違うの教えて。」
という男性スタッフの問いに対し、上目遣いで空中を見ながら暫く思案しているボクに、別の男性スタッフがその空中を指差して言う。
「どうやらツカサのエッチなHPは夜空にたくさんあるらしいぞ。」
男全員で見上げた屋根の隙間から見える空には星空とそれぞれの浪漫が広がる暑い夜____。