いざ伊平屋島へ

正午過ぎ。
大雨の那覇バスターミナル前から高速バスに乗り込み約1時間半。
高速道路出口を降り海岸線に沿った国道を北上するのだけれど、「フェリー午前便から出るってよー。」という今朝の伊平屋島からのメールが嘘に思えるほど、雨粒が打ちつけるバスの窓から見える海は波が荒い。

終点の名護バスターミナルでバスを降り、同じバスに乗り合わせた外国人バックパッカーと「良い旅をね。」と別れの挨拶を交わした後、タクシーに乗り込み約20分かけて伊平屋島へのフェリーが出る今帰仁・運天港へ。
道中ずっと、昼食を食べそびれた腹が鳴るものの、島に着いてから何か食べればいい。独り旅は気楽だ。空腹も自分さえ我慢出来れば気を遣う相手もいない。

午後3時。重く立ちこめた雨雲の下をフェリーが伊平屋島に向けて出港。去年代替わりしたばかりの新しいフェリーには横揺れを防ぐ可動式スタビライザーが装備されていて、こんな波の荒い日もさほど横揺れを感じずに、約1時間20分の船旅をデッキで湿った海風にあたりながら燻らすタバコの煙と共に過ごした。

伊平屋島・前泊港に到着後、迎えに来ていた定宿の車に乗り、宿に到着。故・はらたいら氏に連れて来てもらってから早24年。毎年のように通うこの島で、家族同様に接する宿を始め、道行く知人友人たちに会う度に、「おかえりー。」「ただいまー。」の花が咲く伊平屋島____。