マレークリスマス

クアラ・ルンプール チャイナタウンの片隅。屋台の店員がバナナの葉で扇ぐせいでこちらにばかり流れてくるサテーの煙を祓うこともせず、先ほどまで降っていたスコールが気持ち程度に下げた南国の夜の空気と一緒に楽しみながら、備え付けの悪いプラスチックテーブルの上に置かれた皿の上の串を指で摘んでは、その先に刺さった焼鳥に甘辛のピーナッツソースを付けるボクを、クリスマスの夜に独りで柄の悪いシャツを着て焼鳥を頬張る日本人がそんなに珍しいのか、道行く人が時折じーっと見てはボクの視線に視線を外す。そんなサテー(串焼き)10本330円の晩飯の時間。

サテーの量は別にして、これはこれで充分満足なクリスマスの夜____。