咳つぶて波紋ひろがる夜明け前

ただでさえ宿のWifiが遅いのに、宿泊客が増える週末ともなるとニュース記事を読むのもままならぬ状態で、ついつい表示に時間のかかるFacebookの方ばかりを優先させて、こちらの更新がおろそかになり、少数派のアナタの舌打ちが聞こえてきそうなので、昨日から一際ひどくなった咳のせいで睡眠不足の果てにこんな朝っぱらに目が覚めてしまった「ついで」に何かを記しておこうと。

さて、何から書けばいいのか。サボっている間にいろいろあったようにも思えるのだが、咳をし過ぎてボーっとなった頭が思い出すのは、2月前半から始まった旧正月の期間中、ボクの部屋の真ん前のビュッフェの朝の賑わいと、そんな中、ほぼ毎朝ボクの部屋のドアを叩いてボクを叩き起こす宿の孫息子の「ツカサーッ‼︎」という声と、こちらの暮らしとは全く関係のないアナタの横顔だったりするのはきっと、先週までの賑わいとはうって変わって、ボクの咳だけがその静寂な水面に波紋を立てるかのようなまだ薄暗い朝に、祭りの終わり、つまりは今回の旅のようなモノの終わりを感じているせいかもしれない。

まだ3週間弱もあるのにとアナタは笑うかもしれないけれど、時間に対する概念なんぞ人それぞれでボクからすれば「少しだけ」も「ずっと」もさほど変わらない。
ボクは「少しだけ」旅に出ている。そしてその旅先でアナタを「少しだけ」思い出す____。