Have a good journey

貴重な休みの全てを使ってパンコール島まで来てくれた若夫婦を桟橋で見送り、そしてたった今、タクシーに乗り込んだ日本人大学生の男の子3人を定宿の前で見送り、当たり前の事なれど自分は此処でいつもこの島で出逢った誰かを見送っている。次の目的地を目指し重い荷物を背負う者の背中を。

笑い合った時間が多い分、別れた後の時間が寂しくなるのは旅も日々の暮らしも同じで、それでも見送る者が一人でも居るその道の先が旅立つ者にとってより良き地となるよう祈りながら、「またね。」と不確実な約束を交わしながら、いつもの涼しい笑みで手を振る。

そんな自分もあと6日もすればこの地を旅立つ者になる。それまでに手を振ってくれる者の為にやらねばならぬ事があるのでアナタを思い出す時間を少しだけ減らして、今日も海岸通りに向かおうかね_______。