揉まれ揉まれてバースデー

___前略、母上様。

アナタが産んでくれたこの身体は相変わらず丈夫なのかひ弱なのか自分自身でも解らぬ中途半端な痛みを抱え、昨日行ったばかりの整体に今日も行く羽目になり、この二日間で延べ3人の他人に身体中を揉まれまくるという、これがAV女優ならそこそこの稼ぎにもなるのでしょうけれど、いかんせん、股間の間に罪深き童をぶら下げる男では揉まれても揉まれてもお金は貰えないどころか、こちらが支払う方なわけで。それでも、今ではすっかり老いの見本通りに辿り行くこんな身体なれど、男に産んでくれた喜びの方が後悔の数よりも多少は多いのも事実なわけで。

「アタシはマゾヒストを産んだ覚えは無いぞね。」

___母さん。
あなたの息子は、誕生日だというのに、まるで駅のホームでふん捕まえられた痴漢のように、うつ伏せのまま後手に伸ばされた腕の痛みに耐えて尚、「有難うございました。」と御礼まで言いながら高いお金を支払うマゾヒストを今日も演じています。
___母さん、産んでくれて有難う___。

日記