高知城を眺めながら

父の37回目の命日を翌日に控え、朝日が昇ったばかりの時刻から家族総出で墓掃除をする為に実家の近所の山へ。

急な山肌を切り開いた霊園の一角。砂利やコンクリートできちんと整地された他の家の墓と違い、父親の墓が建つ地面は土が剥き出しなので、次から次へと草木が生え、夏の盆前などは入り口から順番に草刈りや草抜きをしていかないと、直ぐ傍に建つ父親の墓も見えないほどで、この日も太い木の幹に釜でカッカッと切れ目を入れながら「うちも砂利を敷きゃあどれだけ楽になるか。」という怠け者の長男坊であるボクの言葉に対し、「砂利を敷いたら、こうして皆でお喋りしながら仲良く作業出来んなる。」と言う年老いた母のささやかな楽しみを奪えるはずもなく。

そんなみんなの姿を少し離れた場所で、まだ墓掃除の意味すら解らず、「カラスにジュース取られんようにちゃんと見張りよってよ。」というボクの言いつけだけを守っている甥っ子3rd(3歳)が退屈と眠気でする大きなあくびが、もうすぐ其処まで来ている冬の訪れを知らせる朝の空気に溶けてゆく11月____。

日記