越冬準備を阻むモノ

寒いね、本当に寒い。こんなに寒くなるんだったら、今回はもっと早くにマレーシア・パンコール島に越冬するんだった。
そもそもライブが終わり次第、着々と旅の準備を進めるつもりだったのだけれど、未だに往路の飛行機さえ予約出来ていないその理由とは___。

パンコール島でボート屋を営むノンさん(55歳)とはかれこれ16年越しの友人で、まるで自宅のような感覚で家に上がりこんでは晩飯を喰ったり、リビングで横になりながら喫煙者の居ないその家でタバコを吹かす厚かましいボクに対し、長年に渡り家族のように接してくれる。仲が良い余りに毎回ケンカもして1日中お互いが口を利かない事もあり、周りの若い衆からは「二人とも子供」と笑われる事もしばしば。毎年約2ヶ月半ものパンコール島滞在中のボクの晩飯のほとんどは彼が奢ってくれる心優しい頑固者。

その彼の30年来の友人が、ボクの定宿のオーナーで、ボクがパンコール島に通い始めてかれこれ16年余り、彼とも話せば長くなるほど世話にもなっている友人なのだけれど、実は現在この二人が大喧嘩をしているらしく、当の本人たちに電話で理由を聞いても「オレに聞くな、話したくもない。」の一点張り。仕方が無いので、二人に親しい別の友人に電話でその理由を聞いたのだけれど、事情が解ってくるにつれ、ボクが間に立ってどーこー出来るレベルではないという事だけは理解した。

ボート屋のノンさんとはお互い損得感情無しで付き合っている仲なのに対し、ホテルのオーナーには毎回約二ヶ月半の宿泊費も支払ってはいる。ホテルのレストランで飯喰い放題・飲み物飲み放題、我が儘言い放題でほぼ半額しか支払わない客だけれども。
それだけを見てもノンさんとの関係の方が濃いのだけれど、ただどうしても「ツカサが定宿を変えれば良い」という彼の言葉に大人しく従えない何かがボクの胸に引っ掛かる。

という事で、こんな時だからこそ新しいマレー語を覚えたよ。
「menyusahkan/ムニュサカン」=「面倒臭い」
マレーシア・インドネシアで何となく面倒臭くなったらお使い下さい___。