小さな漁港の見えるその坂

☆ひろさん夫妻に連れられ「河豚」を食したこの日の帰り道。

午前中に郷里の本家から届いた訃報に、すぐに帰れぬ距離と事情が絡まって、何ともし難いもどかしさを胸に仕舞ったまま、嗚呼また少年時代に散々迷惑をかけた恩人に恩のひとつも返せぬままの永遠の別れに、自転車で家出した90km以上も先の家で、何に対しても反抗していた少年の扱いに気を揉みながらも、ただ其処に吹くそよ風のように、ただ其処に射す陽のように、何も言わず泊めてくれ、翌朝、朝陽のあたる早朝の小さな漁港に集う人々の営みを魚を買いがてら連れて行ってくれたりしたその恩人の優しい面影への懐かしさと寂しさに、独り仰いだ冬の夜空___。