不出来な父から娘へ

多忙を極める仕事の合間を縫って、部屋の壁に飾る装飾品や風船を始め、バースデーケーキはもちろんのことプレゼントまで、全て用意が出来てしまう母親に比べ、貴女の父親はさほど仕事もないくせに、貴女の遊び道具として天井から風船を吊しただけで、プレゼントも何もあげられていない、要するに不出来な父親なのだよ。
そんな不出来な父親を気遣ってか、保育園から帰って来た貴女はしばらくの間、大はしゃぎで天井からダランと垂れ下がったそれと戯れてくれたのだけれど、夕食を済ませバースデーケーキを食べ、母親から手渡されたプレゼントに、お風呂も就寝も拒否するほど夢中になっている貴女の隣に寝転がったまま、すっかり存在を忘れられた風船をまだ痛みの残る右足でポンポンと蹴飛ばしてアピールしたところで、一切見向きもしてくれない。
躍動感を失い、ただただ天井からぶら下がって邪魔で仕方がない風船と自身を重ね合わせてしまうほど、貴女の父親は不出来なのだよ。

というわけで、誕生日おめでとう。貴女が居てくれて本当に良かった。
たとえ、貴女が吹き消したロウソクの先で私の頬を加減無しで突こうが、私は貴方が大好きだ_____。

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