思い出を胸に前に進む
今年の1月14日に郷里の母が亡くなったのだよ。
母と対面で話したのは昨年の正月、電話で話したのは昨年の9月な上に、最期も看取ってあげられなかった事などなど、たくさんの心残りがあるのだけれど。
長い、本当に長い闘病生活の間も、母がこよなく愛した『家庭料理の店 京や』を体力の続く限り開け続け、多くのお客様から愛され、約60年もの間、母がモットーとしてた「生涯現役」を貫き通せた事は、何より母自身が喜んでいるはずなので、高知の京やにご縁のある方々お一人お一人の肩や頬に、ある時は風になって、またある時は虫になって御礼に向かう事だろう。
ボクと母の事は此処では語り尽くせないので、これでも読んで、その行間から汲み取って頂けると有り難い。
「死んだらそれまで。生きちゅう者同士がなるべく笑い合って暮らす事が大切ぞね」
死後の世界など微塵も信じていなかった母自身は、子供の頃に火の玉に追いかけられているという矛盾。
なにはともあれ、前に進む責任と理由が自分にはあるので、思い出は思い出として胸に仕舞い、母の言葉通り、今日も生きている者同士でなるべく笑い合っている___。
