ニワトリ並みの脳みそにて

娘たちが生まれてからこちら、自分の誕生日に特別な何かがあるわけでもなく普段と何一つ変わらないのだけれど、取り敢えず無事にまたひとつ歳を重ねる事が出来た昨日29日の日曜日。

生え替わりで前歯の抜けた間抜けな笑顔が愛おしい長女と、相変わらずお互いが張り合っては喧嘩ばかりの双子女子3歳を連れて、熱中症になりそうな陽気の中、渋谷にあるお洒落な美容室まで。
千円札が2枚もあればお釣りが来るボクの散髪代に比べ、娘たちのそれは高い。
娘たちの髪の毛はまだまだこの先いくらでも生えてくるのに対し、ボクの方は気を抜くともう2度と生えてこないかもしれないのに、保全に掛ける費用の割合が間違っている。

行きと帰りの道中で、なにかと駄々を捏ねたり我が儘を言う双子女子たちに
「とーちゃんの誕生日の今日ぐらいは、とーちゃんの言う事きいてくれんかね?」
と、たしか10mほど手前でも言った同じ言葉で諭すも、双子女子それぞれが
「え? きょう? とーちゃんのたんじょーび?」
「そーなの? もーおわったでしょ、たんじょーび」
と、これまた10mほど後ろで聞いた同じ台詞を真剣な眼差しと共にこちらに返してくる。


そんなやり取りを何度も繰り返しながら舗道いっぱいに広がってなかなか前に進まぬ親子の脇を、ハイソな格好をした飼い主に連れられた血統の良さそうな大型犬が上手に追い抜いてゆく。
「イヌさんだねぇ」「おっきぃねぇ」
「こわいねぇ」「こわくないよ」
「こわいよ!」「こわくないっ!」
「はいはいわかったわかった、とーちゃんの誕生日ぐらい、前向いて早く歩いてねぇー」
「え? たんじょーび?」「もーおわったでしょ」


きっとあの犬の方がこの子らよりずっと賢い_____。

チョコの部分は娘たちが食べる暗黙のルール

日記