戦国武将なら死んでる歳だし

歳を取ってからの子育てといふモノは、それはそれは身体中がミシミシと音を立てる日々なわけで。
先日のとある公園での事____。

「父ちゃん、見てみぃ! こーんな事も出来るでーー!!」

幼児用の滑り台を満足するまで何度も滑った後、落ち葉拾いに勤しむ娘2歳を再び運動に駆り立てようと、周りの目も気にせず大きな声で娘にアピールしてからぶら下がった頭上の雲梯(うんてい)。
ところが2秒すらもたず地面に帰ってきた自分に、まるで力石をこの手で殺してしまった矢吹ジョーのように己のてのひらをジッとみつめるほどのショックを受けたポーズのまま娘の方を見ると、ひたすら落ち葉を拾いまくっていて振り向いてもくれていない様子に度重なるショックで後頭部辺りが重い。

いやいや、自分は出来る子。ヘンシモのLIVEの度に、ぶら下がれるモノがあればそれこそ逆さになってでもブランブランと意味の無いアピールをしていた子。

ま、最後にやったのは9年も前の事だけれども。たかが9年か、されど9年か、もう一度確かめてみようぢゃないか。さっきのは油断しただけ。今度は本気ぞ。

「見て見てー、父ちゃん見てー! お猿さんみたいぞーーーーーーー!」

そんな言葉を全部言い切るか言い切らないかの所で再び着地。
やっぱり9年は長いよ長い。これからは知性派ミュージシャンで生きてゆこう、足なんか組んで、組んだ足の太腿に読みかけの小説なんぞを伏せて。

娘が見ていてくれたのが唯一の救い。そりゃそうだ、遠くにいる他の親御さんまでなんだなんだと振り向くほど声を張ったもの。
痛ててててと左右の腕の裏側を、往年の大スター・ジュリーみたいな両腕を抱えたポーズで揉みほぐすボクの仕草を真似て、ニコニコ笑いながら「イテテテテー♪」と、そのちっちゃな両腕を抱え込む娘。

いや、真似して欲しいのは其処ぢゃない_____。

日記