省みぬ正義感

_____________今回はちょいと小難しい話をば・・・。

「懲りねぇなぁ。また、作ってやがる。」
リバティ島からマンハッタン島を眺めると、高層ビル群の真ん中付近に、
周りの高層建築物が低く見えてしまうほどの建築中のビル。
建築中の新ワールドトレードセンタービルながらふとそんな事を思った。

先に言っておくけれど、ボクはアメリカという国が嫌いなわけではない。
ただ、己の価値観で計り知れぬモノをすべて『悪』と決めつけ、
その価値観や権威が傷つけられようものなら時にヒステリックに、時に
利己的に他国の人の命をまるで虫でも殺すかのように消し去ってしまう。
そして消された命に関わる人々の「悲しみ」や「恨み」も考えずに、
それでいて権威だけは保ちたいらしく、再び其処に『バベルの塔』よろしく、
『権威の象徴』を建ててしまう所がなんともアメリカらしい。
機能性や効率から見ても、はたして必要性があるのだろうか?
9.11テロであのビルが崩れさって以来、あのビルで仕事が出来なくて
どうしても困った者がはたして何人いるのだろうか。
要するに『省みない』のだよ、この国は。

そんな『権威』を守るため、リバティ島に渡るフェリー乗り場に限らず、
イベント会場や公共施設で行われている『空港並みの所持品検査』。
他人を疑わざるを得ない、そんな事態を招いたのはいったい誰か。
今日も金属探知ゲート前でズボンからベルトを引き抜きながら、
ボクは日本語で言う。
「すべては自業自得ですよ。」_________________。