受け継がれし思い

自分たちが習っているピアノの譜面を兄弟喧嘩しながらそれぞれ
広げてボクにその腕前を聴かせてくれる甥っ子兄(7歳)と弟(5歳)。
代わりにボクが即興で彼らの好きなアニメのテーマソングのメロディーを
拙くも弾いてみせると、「つーちゃん、凄い!」と素直に驚いてくれる。
「つーちゃん、一応これが商売やきよ。」というボクの言葉は軽く無視され、
彼らの話題はすでにゲームの質問になっている。
そんなわけで、彼らにとってボクはピアノとゲームが彼らより少しだけ
上手な遊び相手なのだよ。

父親と風呂に入っている彼らのはしゃぎ声を背中で聞きながら、
ボクの父が生前、まだボクが幼い頃に母と二人で経営していた
喫茶店の本棚に揃えてあった漫画「ルパン三世」のテーマソングの
そのメロディーをゆっくりと右手でなぞる今日は父の命日____。

日記