生まれた時から反抗期

この歳で娘が生まれ、寝不足の日々が始まり早数週間。
やはり体力的に辛いのだけれど、そんな辛さも娘の表情で癒やされると思いきや___。

生物学的に、餌の匂いのするモノを見る時には瞳が大きくなるようで、乳臭い香りを身体から発している嫁に抱かれている時の娘の表情は可愛い。そりゃそうだ。10ヶ月も一体化していたのだから安心もするし、なにより彼女にとって嫁の腕の中は即ち餌場なのだから。

それに比べ、クソの付いたオムツ越しに、寝つかずにグズって振り回している自身の小さな腕越しに、自分の意思とは関係無く服を脱がされ、全裸で泡まみれにされた挙げ句、心の準備も出来ていないうちに湯に浸けられるバスタブ越しに、全力で泣いてこそようやく与えてくれるミルクのその哺乳瓶越しにしか見ない無精髭面の男を見る時の娘の表情は、まだ感情表現が豊かでない乳幼児とは思えないほど、眉間に皺を寄せたり、まるで「アナタが私を満たしてくれるの? ところで、アナタ、どなた?」と言わんばかりに、素っとぼけた表情を見せたりして、その後ですぐに必ず顔を背ける。まだ首すら座っていないくせに、全力で顔を背ける。

そして娘は、ボクに抱き上げられる度に、ボクの顔を先に書いた表情で見つめながら、まるで戦闘中に気を集中させるドラゴンボールの悟空並みに全身に力を入れながら顔を紅潮させ、ブビビビビーッと勢いよくクソをする。ボクはどうやら彼女にクソ始末係に任命されたようで、その度に、さっき抱き上げたその身体を下ろし、母乳とミルクしか与えていないのにそれなりに臭いクソの付いた紙オムツを剥がし、まだ刺激に弱い肌を気にしながら、下半身についたそれらをソロリソロリと丁寧に拭き取り、「早くしろよ!」と言わんばかりに暴れる両足の間隙を縫って新しいオムツを装着する。そしてようやく再び抱き上げるも、再びボクの顔を見る彼女はその顔を紅潮させブビビビビ。
ため息交じりの笑いをこぼしながら、再び彼女を腕から下ろす日々。
オムツを替えている最中にもブビビビビ。オシッコも何度も手のひらで受け止めたよ。

___生まれた時から反抗期。そんなキャッチフレーズを付けた娘がボクに微笑んでくれる日を夢見て、親バカな日々は続く____。

日記