おぼろ月夜

クアラ・ルンプール
開け放った窓辺から
部屋の冷気と入れ替わりに入ってくる
湿り気をおびた温かい風と街の喧騒が
日に焼けた頬を撫でてゆく中、
もうすでに朧気になりつつあるその笑顔に、
きっとこれも淡い夢なのだろうと
聞き分けの悪い童心に言い聞かせる、
そんなマレーシア最後の夜_________。