はらたいら7回忌記念公演「狂言の会」

赤岡町の弁天座まで向かうタクシーの車中で、「まぁ、椅子に座ってうたた寝出来るろ。」と、シャーシャーと言い放つ我が母親もボクも、生まれてこの方、狂言などという古典伝統芸能とはまったく無縁な人間であり、たぶん、会場に来られた方々のほとんどが失礼ながらボクらと同じ会話をしたであろうと思われ、ホラやっぱりというか、狂言の舞台が始まる少し前にはすでに、ボクの席の隣り、丸めたチリ紙で鼻水を拭く地元のお婆ぁちゃんたちは、銘々がコックリコックリと舟を漕ぎ、反対隣りを横目で見るとこれまた我が母親が頭を垂らし。あぁ、無教養の羊たちの群れでごめんね関係者の皆さん。メェェェェ。さてボクも羊の一員になるとするか、と椅子の背に深くもたれた時に
丁度始まったその狂言の舞台は、さっきまで舟を漕いでいた老羊たちの目を覚まさせたばかりでなく、時に多くの笑い声や拍手を客席から生み出し、各云うボクも多いに楽しませてもらい、「嬉しい裏切り」を久々に感じられた日曜日。
はらたいら7回忌記念公演「狂言の会」は立ち見が出る程の満員御礼、且つ大盛況だったのだよ。狂言師・高澤祐介さんを始め演者のみなさん、スタッフの方々、本当にお疲れ様でした&有難うございました。

日記