ドヤ顔王子

「いっぱい出たぜ。」
自分の隣で寝ていたはずの甥っ子2ndが真夜中に言ったその言葉が、長い長い1日のほんの始まりに過ぎなかった事など、その時の自分はまだ知る術もなく___。

実家のボクの部屋にお泊まりに来た甥っ子1st&2ndの二人のトイレを済まさせて、2枚並べた敷布団の上に『川』の字で、左から甥っ子1st、2nd、ボクの順で布団に潜り込んだのが午後9時半。すぐに寝付いた甥っ子たちとは真逆にボクはなかなか寝付けず、自分が弄るipadの明かりだけの部屋で、寝相の悪い彼らの布団を掛け直したり、更新が遅れていた此れを書いていたりしているうちにあっという間に時刻は午前1時過ぎ。
ようやく眠気が訪れたので、寝る前に彼らに布団をかけ直そうとipadの画面の明かりをそっとそちらに向けたと同時に、ボクの隣で寝ていた2ndが目をカッと見開いて、ドヤ顔でボクに言う。

「いっぱい出たぜ。」
___ん?_____え? まさか・・・オネショか!?と彼に問うと、掛け布団からドヤ顔だけを出したままコクリと頷く。で、なんでドヤ顔なんオマエ。

部屋の明かりをつけ、掛け布団をはぐると見ただけで判るほどその部分は水浸し。同じくビショビショの甥っ子2ndのズボンとパンツを脱がせ、階下に降りて再びトイレをさせ、着替えを持たぬ彼の下半身にバスタオルを巻き、川の字の左端で爆睡中の甥っ子1stを一度起こし、二人を自分の布団に移動させた後、彼らが最初寝ていた、古い上に水分をタップリ吸ってさらに重くなった敷布団や寝具を階段から投げ降ろし、その後を追い階下へ。
仕事から帰ってきて疲れて眠る年老いた母親を起こすのは不憫この上なかったのだけれど、仕方がないので彼女に声をかけると、彼女はすぐに起きて敷き布団のシーツや寝具を洗濯機に放り込み回し始めた。こんな真夜中に、しかも外はあいにくの雨で干す所もないというのに。

ボクの敷布団を彼らに譲ったので自分には敷き布団がない。
さて、何処で寝るか。まさか年老いた母親の布団に潜り込むわけにもいかないしなぁと、静まりかえった真夜中に洗濯機の回る音を聞きながら、台所で一服した後、階段を上り自室へ。

自分の布団に移動した甥っ子たちはすでに夢の中で、二人ともやはり掛け布団をはね除け、オネショをした2ndに至っては、腰に巻いてあげたバスタオルも取り払い、こんな寒い夜に丸出しにした可愛いチンコを片手で握ったまま寝ている。「もう二度とオネショはしない。」という彼なりの決意表明かもしれないので、そのままにしておいた。
そんな二人に毛布と布団を掛けた後、とりあえずオネショの被害を免れたもう一枚の掛け布団を縦に二つ折りにして敷き、数日前に痛めた腰を庇いながらその上に横になり、薄い毛布一枚にくるまり、寒さに耐え忍ぶ午前3時___。