帰り道で喰う蕎麦代ぐらいは残しておきませう

1,000円単位で博奕に興じる遊び金に少々余裕のある人たちが見上げる視線の先。モニターに映るお馬さんたちに掛け声を飛ばす人もおらず、ただジッとそのレース展開を見つめる物静かな紳士な2階からエスカレーターで3階へ。

2階の人数とは比べ物にならないほどの人でごった返す中、100円単位で勝った馬券片手にモニターに「行けーっ!! そのままーっ!!」と大声を張り上げる者、すぐ前のオッサンの明らかに分かるそのヅラを落としそうな勢いで棒状に丸めた競馬新聞を振りまくる者、モニターに背を向けたまま壁際で次のレースの考察に血眼になって競馬新聞を睨みつける者、一度ゴミ箱に捨てた馬券を懸命に漁る者、そんな愚か者たちの吐くたくさんのため息をかいくぐりながら自動発券機に向かう自分もまた愚か者なり。

昔と違い食い物の屋台もなく何処か小綺麗で健全な雰囲気を胴元である農林水産省がアピールしようとも、その建物の中で人生の発熱方向を多少間違えた愛しき愚か者たちが発するその熱とため息は今も昔も変わらぬ、連休最後の日の場外馬券場___。