無給だけれどね

一日中ボートに乗っていると、いくら船酔いしないボクでも、
ユラユラ感がホテルのベッドに横たわる夜中まで抜けない。
なので時々は、ボート屋での客引きをサボり、
隣のビーチや自分のホテルへこっそり逃げたりもするけれど、
他のビーチボーイの誰かが日本人観光客をみつけると
何故かボクに連絡が入るシステムが勝手に構築されている
ようで、その度に普段自分の居るボート屋に呼び戻される。

でもま、気心の知れた同じ国の方々にパンコール島や
この島に住む人々と触れ合ってもらえる事が出来るし、
ボクがそのコミュニケーションツールとして少しでも役に
立っているのなら、それはそれで嬉しいのだよ。

「じゃあ行きますか!」
ボクは今日もボートの錨を勢いよく引っ張り上げる___。